人気ブログランキング |

カテゴリ:手の外科( 16 )

肘内障について

肘内障について:


幼児において、骨折や脱臼を含む外傷は肘周辺に多く、その中でも肘内障は、最も高い外傷の一つといわれています。身近なお子さんが実際に肘内障と診断されて治療を受けられた方も少なくないと思います。


 よく「肘が抜けた」というふうに表現されますが、正確には脱臼ではなく、輪状靭帯に包まれている橈骨頭が、引っ張りとねじれの力が加わることにより輪状靭帯からずれることによって発症します。腕を引っ張られたり、腕を下にして転んだりした際にも発生しますが、原因がはっきりしない場合も少なくありません。2〜6歳の幼児に多く見られます。受傷後は痛みが生じ、その痛みを避けるために肘を動かさなくなり、肩が抜けたかのように見えたり、手首を痛めているように見えたりします。


 骨折や脱臼との鑑別診断上、レントゲン検査を行うことがありますが、肘内障自体は異常な所見はありません。現実的には腫れがなく、問診と診察から、骨折などが否定的であれば、レントゲン撮影は行わずに、整復操作をただちに行うこともあります。麻酔は必要なく、できるだけ手のひらを上に向けて、橈骨頭を押さえながら肘を曲げていくと、整復音とともに整復されます。整復が成功すれば、程なく痛みが消失して腕を動かせるようになります。整復後は簡単な固定をすることもありますが、しないで済むことが多いです。再発予防は、しばらくの間は、腕を引っ張らないように気をつけることです。


肘内障は繰り返すこともありますが、成長とともに発症することはなくなります。


お子さんで肘の痛みがある場合、必ず整形外科を受診してください。


※日本手外科学会「手外科シリーズ 21」から画像を引用しております。

a0296269_05494530.jpeg


by haraseikei | 2019-05-03 05:48 | 手の外科

ヘバーテン結節について

ヘバーテン結節:




指の第1関節が変形してしまう疾患です。


ヘバーデン結節と呼ばれています。


いろいろな程度の変形があります。すべての人が強い変形になるとは限りません。


示指から小指にかけて第1関節が赤く腫れたり、曲がったりします。痛みを伴うこともあります。親指にみられることもあります。動きも悪くなります。第1関節の近くに水ぶくれのようなものができることがあり、これをミューカスシスト(粘液嚢腫)と呼びます。一般に40歳代以降の女性に多く発生します。手を良く使う人にはなりやすい傾向があります。


第2関節に生じるものさブシャール結節と呼びます。関節リウマチとは異なります。


第1関節の変形、突出、疼痛があり、X線写真で関節の隙間が狭くなったり、関節が壊れたり、骨棘(骨の出っ張り)があれば、へバーデン結節と診断できます。


保存的療法としては、局所の安静(固定も含む)や投薬、局所のテーピングなどがあります。急性期では少量の関節内ステロイド注射なども有効です。


保存的療法で痛みが改善しないときや変形がひどくなり日常生活に支障をきたす場合は、手術を考慮します。手術法には結節を切除するものや関節を固定してしまう方法が行われます。


第1関節が痛むときは安静にしましょう。痛くても使わなくてはならないときは、テーピングがお勧めです。普段でも指先に過度な負担が生じることを避けましょう。当院ではレーザーを当てる治療も行っております。


また、更年期以降の方には、エストロゲンと似た働きをするサプリメントが効果ある可能性があります。エクオールは、大豆由来のエストロゲンと似た働きをする成分で、更年期症状のホットフラッシュの軽減効果が認められています。




※日本手外科学会「手外科シリーズ 4」から画像を引用しております。



a0296269_08182795.jpeg


by haraseikei | 2019-04-19 08:18 | 手の外科
診断
a0296269_09214344.jpg母指のつけねを押さえると痛みが生じ、運動時痛があります。レントゲン検査で関節の変形があれば診断がつきます。














治療
保存治療(投薬、固定装具、温熱療法、関節内注射など)が有効です。保存治療でよくならない場合は、手術治療(関節固定術、関節整形術)を行うこともあります。
a0296269_09214310.jpg

今回で手の外科のお話は終わりになります。
次回からは、足の痛みについてのお話になります。

by haraseikei | 2015-01-23 12:22 | 手の外科
症状

a0296269_09430180.jpg物をつまむ時や瓶のふたを開ける時など、母指に力を必要とする動作で痛みがでます。進行すると母指が開きにくくなり、CM関節の変形は外見からもわかるようになります。











原因。病態
母指CM関節はよく動く関節なので、使いすぎや加齢に伴って発症したり、この部の脱臼や骨折後にも起こることがあります。関節軟骨がすりへり、進行すると関節は亜脱臼してきます。
a0296269_09430193.jpg

次回は、母指CM関節症の診断と治療のお話になります。





by haraseikei | 2015-01-16 12:45 | 手の外科
診断
手首(手関節)をたたくとしびれ、痛みが指先にひびきます。(ティネル様徴候)
a0296269_09435881.jpg


下記のように手首を曲げてしばらくすると症状が悪化します。(手関節屈曲テスト)
a0296269_09435839.jpg
その他、神経伝導速度の計測により診断します。


病態

正中神経が手首(手関節)にある手根管というトンネルで圧迫された状態です。
a0296269_09435819.jpg

治療

手の使いすぎを止めましょう。なおらないときは専門医にご相談ください。飲み薬、局所の安静、ブロック、手術(下記)により治療します。
a0296269_09435819.jpg

by haraseikei | 2015-01-09 12:46 | 手の外科
症状
a0296269_09542130.jpg


a0296269_09542164.jpg示指、中指を中心にしびれ、痛みがでます。しびれは環指、母指に及ぶこともあります。これらは明け方に強くなり、手を振ることで楽になります。






a0296269_09542133.jpg母指の付け根(母指球)がやせてきて、縫い物やボタンがけなどの細かい作業が困難となり、右図のようなOKサインができにくくなります。







原因
a0296269_09542182.jpg 多くは不明ですが、圧倒的に女性に多く生じます。




a0296269_09542137.jpg
妊婦、骨折、手を使う重労働者にも生じ、閉経、透析も原因となります。









次回は、手根管症候群の診断と治療のお話になります。

by haraseikei | 2014-12-26 12:40 | 手の外科
診断a0296269_09453054.jpg受傷時の状況と肘をやや曲げて腕を下げたままで、痛がって動こうとしないことでこの病態を疑います。
レントゲン検査で骨や関節に異常がないことを確認する事もあります。














治療
a0296269_09453050.jpg徒手整復を行います。整復の後はいつもどおり、腕を使用してもかまいません。くり返すこともあるので注意してください。













by haraseikei | 2014-12-19 12:29 | 手の外科
原因・症状
a0296269_10210498.jpg子供が手を引っ張られた後などに、痛がって腕を下げたままで動かさなくなります。















病態
靭帯からの肘の外側の骨(橈骨頭)がはずれかかることによって起こります。5歳以下の子供に多く見られます。
a0296269_10210490.jpg
次回は、肘内障の診断と治療のお話になります。




by haraseikei | 2014-12-12 12:37 | 手の外科
診断
第1関節の変形、いたみがあり、レントゲンで関節のすき間が狭くなったり、関節が壊れたり、骨のとげ(骨棘)があればヘバーデン結節と診断できます。リウマチでないことをチェックする必要があり採血を行うこともあります。

a0296269_14405102.jpga0296269_14405145.jpg














治療
a0296269_14405195.jpg1.保存療法:
薬物療法、局所のテーピングなどがあります。当院ではレーザー治療行っております、
痛みや炎症が強い時はステロイド注射を行うこともあります。

2.手術療法:保存療法で痛みがとれなかったり、
変形がひどくなり日常生活に困るようなときに検討いたします。 関節固定術を行うことがあります。

by haraseikei | 2014-12-05 17:35 | 手の外科
症状
示指から小指にかけて第1関節(DIP関節)が赤く腫れたり、曲がったりします。痛みを伴うことがあります。母指にみられる場合もあります。
a0296269_10143437.jpg

動きも悪くなります。
a0296269_10143402.jpg

水ぶくれのようになることもあります。
(ミューカスシスト)
a0296269_10143439.jpg



痛みのため、強く握ることが困難になります。
a0296269_10143436.jpg


原因・病態
原因は不明ですが、局所の所見は第1関節に発生する変形性関節炎です。
a0296269_10143419.jpg
一般に40歳台以降の女性に多く発生します。


次回は、へバーデン結節の診断と治療のお話になります

by haraseikei | 2014-11-28 12:44 | 手の外科

横浜市南区弘明寺整形外科、リハビリ、スポーツ、小児外傷、リウマチ/ペインを専門としたブログです。


by haraseikei