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カテゴリ:手の外科( 19 )

手の外科

肘、手首、指など上肢のケガや疾患が対象となります。バネ指、腱鞘炎、へバーデン結節、手根管症候群、肘部管症候群、ガングリオンなど様々な疾患があり、治療に当たっては専門的知識、経験が必要とされます。
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by haraseikei | 2019-08-08 19:24 | 手の外科

手根管症候群

概要

正中神経が手首で圧迫される病気です.正中神経は手の感覚,親指の筋肉を支配する神経です.正中神経は指を動かす9本の腱と一緒に,手首の部分で手根管(しゅこんかん)という狭いトンネルを通ります.手根管の屋根にあたる横手根靱帯が厚くなったり,腱の炎症(腱鞘炎)が起こることで,正中神経が圧迫されるのが病気の原因です.40代以降に多く,女性と男性の比は1対2~1対5と言われ,女性に多い病気です.女性ホルモンの変動が影響することも考えられます。日常生活や仕事で手を良く使う人がなりやすい傾向があります.関節リウマチ,長期間の血液透析,手首の骨折,妊娠が原因になることがあります.

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症状

手のひら,親指から環指にしびれ,痛みが出現します.手を使った後に症状が強くなったり,しびれや痛みで夜に目が覚めることがあります.進行すると親指の筋肉、母指球がやせてきて、つまみにくい,ボタンをかけにくい,親指と示指の間が大きく開けないので,コップやジョッキを持ちにくいなどの症状が出現します。

 親指から環指の半分に感覚の異常がみられます.手首の中央付近を軽くたたくと指先に電気が走るような痛みやシビレを感じます(Tinel様徴候).手首を深く曲げると指のシビレが悪化します、ら(Phalenテスト).親指の筋肉、母指球がやせると、親指と人差し指できれいな丸が作れなくなります。

検査

レントゲンでは通常は異常ありませんが,手くびの骨の変形が神経圧迫の原因になることがあります.腫瘍やガングリオンなど手根管内に圧迫病変が疑われる場合には超音波エコー検査やMRI検査を行います.筋電図検査で神経伝導速度の低下が確認されると診断が確定します.

 治療

初期にはビタミンB12剤による薬物治療,手の酷使を避ける,また,装具を装着して手首の安静をとります.痛みが強い場合には,手根管内にステロイド注射を行ったりします。女性ホルモンとの関連性も指摘されておりサプリメントを利用されている方もいらっしゃいます。

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これらの保存治療を行っても症状が良くならない,親指の筋肉がやせている,神経伝導速度が低下している場合には手術が治療の選択になります.手のひらを3cmほど切開して肥厚した横手根靱帯を切って神経の圧迫をとる手術(手根管開放術)を行います.親指の筋肉がやせて,つまみ動作が困難な患者さんには,つまみ動作をより早期に回復させるために,手首で長掌筋という筋肉の腱を痩せた筋肉に縫合する腱移行術を併せて行うことがあります.

手根管症候群でお困りの方、また手根管症候群ではないかと疑っている方は.手の疾患に詳しい医師にご相談ください.


by haraseikei | 2019-06-20 16:20 | 手の外科

指の第1関節(DIP関節)が変形するヘバーデン結節は、痛みを伴うこともあり、指先を使う日常動作でも症状が出ます。

原因は不明で、はっきりとした遺伝性は確認されていませんが、母親や、お祖母様も同じ症状だったという話しは、患者様からよく伺います。ですから、ある程度、家族性のものだと考えます。年齢(特に40歳以降)、家族歴、肥満、痛風、関節への負担などによりへバーデン結節の生じるリスクが高まります


へバーデン結節は、主に人さし指、中指、薬指、小指の第1関節が赤く腫れ、こぶのように膨らんだり、曲がったりします。ズキズキとした痛みを伴うことが多く、関節に水がたまると、その付近に水膨れのようなものができることもあり、ミューカスシストと呼ばれます。潰れたりして化膿することもあり、注意が必要です。写真のように爪の変形を来たすこともあります。

日常生活、家事などで力を入れて指を曲げる場面は多く、その都度痛みを感じるため、生活に支障をきたすこともあります。

発症は30歳を過ぎたころから多くなり、年齢とともに増加します。痛みや変形の強い方は、女性に多いです。最近、女性ホルモンとの関連が指摘されています。

レントゲンでは、第1関節の軟骨がすり減って骨と骨の間の隙間が狭くなり、関節が破壊され変形が進んでいきます。

鑑別診断として関節リウマチがあります。血液検査を行うとリウマチかどうかの判断材料になります。CRPや血沈、リウマチ因子、抗CCP抗体などの項目をチェックいたします。

 治療は、テーピングなどで関節を固定したりします。痛みが強い場合は、湿布や塗り薬、痛み止め、場合によってはステロイドを使用したりします。ステロイドは、内服と注射があります。注射は、指の感覚が敏感なため痛いのですが、炎症所見(赤く腫れて熱感があり痛みをともな)が強い場合に行うと効果的です。

また、当院では、レーザー治療も行っております。

 最近女性ホルモンに似た働きをするサプリメントの摂取が、症状の改善に有効との報告もあります。当院でも取り扱っております。

重症の場合は、手術によりDIP関節を固定する方法があります。手術となるケースは稀ですが必要、希望されれば、提携医療機関をご紹介いたします。


以下の症例は、姉妹でヘバーデン結節発症、その母親もヘバーデン結節でした。家族内発症の2症例です。

症例❶85歳女性(姉)テーピング対応としました。

ミューカスシストもありましたが、切除、テーピングにて改善し、今は痛みがありません。爪の変形が残存してますが、痛みがなく日常生活に支障ありません。

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症例❷72歳女性(妹)炎症が強く、一時的にステロイド内服し、急性期をしのぎました。その後、レーザー治療を根気強く続け、かなり改善し、現在は、たまに痛い時はテーピング対応としております。

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by haraseikei | 2019-06-12 20:17 | 手の外科

肘内障について

肘内障について:


幼児において、骨折や脱臼を含む外傷は肘周辺に多く、その中でも肘内障は、最も高い外傷の一つといわれています。身近なお子さんが実際に肘内障と診断されて治療を受けられた方も少なくないと思います。


 よく「肘が抜けた」というふうに表現されますが、正確には脱臼ではなく、輪状靭帯に包まれている橈骨頭が、引っ張りとねじれの力が加わることにより輪状靭帯からずれることによって発症します。腕を引っ張られたり、腕を下にして転んだりした際にも発生しますが、原因がはっきりしない場合も少なくありません。2〜6歳の幼児に多く見られます。受傷後は痛みが生じ、その痛みを避けるために肘を動かさなくなり、肩が抜けたかのように見えたり、手首を痛めているように見えたりします。


 骨折や脱臼との鑑別診断上、レントゲン検査を行うことがありますが、肘内障自体は異常な所見はありません。現実的には腫れがなく、問診と診察から、骨折などが否定的であれば、レントゲン撮影は行わずに、整復操作をただちに行うこともあります。麻酔は必要なく、できるだけ手のひらを上に向けて、橈骨頭を押さえながら肘を曲げていくと、整復音とともに整復されます。整復が成功すれば、程なく痛みが消失して腕を動かせるようになります。整復後は簡単な固定をすることもありますが、しないで済むことが多いです。再発予防は、しばらくの間は、腕を引っ張らないように気をつけることです。


肘内障は繰り返すこともありますが、成長とともに発症することはなくなります。


お子さんで肘の痛みがある場合、必ず整形外科を受診してください。


※日本手外科学会「手外科シリーズ 21」から画像を引用しております。

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by haraseikei | 2019-05-03 05:48 | 手の外科

ヘバーテン結節について

ヘバーテン結節:




指の第1関節が変形してしまう疾患です。


ヘバーデン結節と呼ばれています。


いろいろな程度の変形があります。すべての人が強い変形になるとは限りません。


示指から小指にかけて第1関節が赤く腫れたり、曲がったりします。痛みを伴うこともあります。親指にみられることもあります。動きも悪くなります。第1関節の近くに水ぶくれのようなものができることがあり、これをミューカスシスト(粘液嚢腫)と呼びます。一般に40歳代以降の女性に多く発生します。手を良く使う人にはなりやすい傾向があります。


第2関節に生じるものさブシャール結節と呼びます。関節リウマチとは異なります。


第1関節の変形、突出、疼痛があり、X線写真で関節の隙間が狭くなったり、関節が壊れたり、骨棘(骨の出っ張り)があれば、へバーデン結節と診断できます。


保存的療法としては、局所の安静(固定も含む)や投薬、局所のテーピングなどがあります。急性期では少量の関節内ステロイド注射なども有効です。


保存的療法で痛みが改善しないときや変形がひどくなり日常生活に支障をきたす場合は、手術を考慮します。手術法には結節を切除するものや関節を固定してしまう方法が行われます。


第1関節が痛むときは安静にしましょう。痛くても使わなくてはならないときは、テーピングがお勧めです。普段でも指先に過度な負担が生じることを避けましょう。当院ではレーザーを当てる治療も行っております。


また、更年期以降の方には、エストロゲンと似た働きをするサプリメントが効果ある可能性があります。エクオールは、大豆由来のエストロゲンと似た働きをする成分で、更年期症状のホットフラッシュの軽減効果が認められています。




※日本手外科学会「手外科シリーズ 4」から画像を引用しております。



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by haraseikei | 2019-04-19 08:18 | 手の外科

診断
a0296269_09214344.jpg母指のつけねを押さえると痛みが生じ、運動時痛があります。レントゲン検査で関節の変形があれば診断がつきます。














治療
保存治療(投薬、固定装具、温熱療法、関節内注射など)が有効です。保存治療でよくならない場合は、手術治療(関節固定術、関節整形術)を行うこともあります。
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今回で手の外科のお話は終わりになります。
次回からは、足の痛みについてのお話になります。

by haraseikei | 2015-01-23 12:22 | 手の外科

症状

a0296269_09430180.jpg物をつまむ時や瓶のふたを開ける時など、母指に力を必要とする動作で痛みがでます。進行すると母指が開きにくくなり、CM関節の変形は外見からもわかるようになります。











原因。病態
母指CM関節はよく動く関節なので、使いすぎや加齢に伴って発症したり、この部の脱臼や骨折後にも起こることがあります。関節軟骨がすりへり、進行すると関節は亜脱臼してきます。
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次回は、母指CM関節症の診断と治療のお話になります。





by haraseikei | 2015-01-16 12:45 | 手の外科

診断
手首(手関節)をたたくとしびれ、痛みが指先にひびきます。(ティネル様徴候)
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下記のように手首を曲げてしばらくすると症状が悪化します。(手関節屈曲テスト)
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その他、神経伝導速度の計測により診断します。


病態

正中神経が手首(手関節)にある手根管というトンネルで圧迫された状態です。
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治療

手の使いすぎを止めましょう。なおらないときは専門医にご相談ください。飲み薬、局所の安静、ブロック、手術(下記)により治療します。
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by haraseikei | 2015-01-09 12:46 | 手の外科

症状
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a0296269_09542164.jpg示指、中指を中心にしびれ、痛みがでます。しびれは環指、母指に及ぶこともあります。これらは明け方に強くなり、手を振ることで楽になります。






a0296269_09542133.jpg母指の付け根(母指球)がやせてきて、縫い物やボタンがけなどの細かい作業が困難となり、右図のようなOKサインができにくくなります。







原因
a0296269_09542182.jpg 多くは不明ですが、圧倒的に女性に多く生じます。




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妊婦、骨折、手を使う重労働者にも生じ、閉経、透析も原因となります。









次回は、手根管症候群の診断と治療のお話になります。

by haraseikei | 2014-12-26 12:40 | 手の外科

診断a0296269_09453054.jpg受傷時の状況と肘をやや曲げて腕を下げたままで、痛がって動こうとしないことでこの病態を疑います。
レントゲン検査で骨や関節に異常がないことを確認する事もあります。














治療
a0296269_09453050.jpg徒手整復を行います。整復の後はいつもどおり、腕を使用してもかまいません。くり返すこともあるので注意してください。













by haraseikei | 2014-12-19 12:29 | 手の外科