痛みはカラダから脳への警告信号
2019年 06月 17日
☆痛みは、カラダのどこかが、ケガをしたり病気があると発生します。ですから、痛みは、「ここがケガをしています」「ここに病気があります」というカラダから脳への警告信号いわば赤信号と言えます。痛みは、原始感覚の一つとされ、痛みがあると、不快な気持ちになります。そして痛みが長引くと、ストレスにより心身症に繋がることがあります。また、ケガや病気が治っても、痛みがとれないことがあります。これが、古傷が痛むとか、術後痛の原因です。痛みが慢性化すると、もはやカラダの警告信号としての意義がなくなり、痛むということ自体が問題になります。慢性化した痛みは、複雑であり、治療に難渋することがありますので、痛みを長引かせないことが非常に重要です。
→以下は引用文献となります。
嗅覚,味覚,内臓感覚,そして痛覚は,視覚や聴覚などと異なり,感覚そのものが無条件に個体の生存にとっての価値をもち,それゆえに生得的に快・不快情動と結びついている.この点においてこれらの感覚は原初的かつ根源的な感覚であり,原始感覚とよぶべきものである.これらの感覚を介して生じる不安,嫌悪,恐怖,抑うつといった不快情動は,生体を危険から遠ざけ,個体や種を維持していくための生体防御システムとして進化の過程で獲得された機能である.その一方,生体防御システムである情動系の異常が,うつ病や不安障害などの精神疾患やストレスにより発症・増悪する身体疾患(心身症)を引き起こす.
引用文献
原始感覚と情動 生体防御系としての情動機構とその破綻
別冊・医学のあゆみ 福土審